2023年1月15日日曜日

音楽葬の音源

 以前からの懸案事項だった音楽葬用の音源をようやく整理した。
 そもそもの発端は70歳を機にまとめた家族むけの終活ノート。2年前の3月のことで、母の死が重なってやや遅れ、予定より1年延びた。

 遺産相続から始まり、葬儀のあり方や預金&不動産の詳細、介護や延命措置の希望、墓や仏壇の扱い、住宅の管理方法など記載内容は幅広い。子どもたちの意見も取り入れてUSBメモリに記録し、紙にもプリントして、いつでも閲覧可能にしてある。
 年に一度は内容の見直し&更新をし、その都度pdf化して子供たちにメール送信している。


 内容で唯一流動的だったのが、葬儀で流す音楽。私も妻も無宗教の音楽葬を希望していたが、流す曲は私が「自分のオリジナル曲」、妻が「カノン」と記しただけで、やや漠然としていた。
 お経の代わりになるものだから、長さとしては15〜20分は必要。構成をずっと考えていたが、それぞれの希望に配慮しつつ、結果として以下のようにまとめた。


「雨ニモマケズ:オリジナル作曲」
「夕凪ワルツ:オリジナル作詞」
「森の記憶:オリジナル作詞作曲」
「サクラ咲く:オリジナル作詞作曲」
「ピアノ協奏曲5番:Beethoven」


「カノン:Pachelbel」
「みじかくも美しく燃え:Mozart」
「ピアノ協奏曲5番:Beethoven」
 私は2012年に出したオリジナルCDからの曲を中心に、ストーリー性を加味して選曲配置。ラストにベートーベンのピアノ協奏曲を置いた。
 妻は希望するカノンを1曲目にし、2曲目には人生を想起させるモーツアルトのピアノ協奏曲を。ラストは私と同じベートーベンのピアノ協奏曲で共通性をもたせた。

 演奏時間はどちらも19分45秒。曲間の空白を併せると、20分という程よい時間に収まる。仮に法事にも転用した場合、ラスト1曲を省略して13分で収めることも可能だった。


 オリジナル曲のうち「森の記憶」は音質がやや劣るライブ音源しかなく、しばらく使ってなかった音声編集フリーソフトを数年ぶりに起動し、慎重に音を調整。場合によっては再録音も考えていたが、なんとか使えそうな状態に仕上げた。
  調整後の音源は「葬儀用BGM」と題してそれぞれフォルダに収納。終活ノートや葬儀用写真が入っているUSBメモリとICレコーダー内のSDカードに転送し、演奏方法は終活ノートに追記した。

 これにより、わずかに残っていた終活に対する憂いが解消され、つまりは「いつ死んでもOK」の状態になった。
 終わりの見えないコロナ禍、昨年の胃ガン告知と手術、すでに健康寿命を過ぎた我が身などをかえりみると、ようやく年相応の備えが固まった気がする。
 備えなくとも死は確実にやってきて、おそらく何とかなるに違いないが、自分の死後に禍根を残さないための小さな拘りなのだった。