2022年7月30日土曜日

床下冷気送風装置

 昨年の記録的猛暑の際に思いつき、密かに構想を暖めていた床下冷気送風装置を、ついに実現させた。
 床下には全面土間コンクリートを打ち、パネルヒータを置いて冬期は床下から暖気を上昇させ、頂部の排気口から外に抜いて自然循環させる「パッシブ換気システム」を新築時から採用している。冬は床暖房に匹敵する暖かさで、換気扇も不要。快適に過ごして23年が過ぎた。

 夏期は活用してなかったが、昨夏に床下温度を測ってみると、外気温より7度も低くて驚いた。定期的にチェックすると、非暖房時の床下表面温度は21〜23度と安定している。この冷気を利用しない手はない。
 昨年秋に2階の暖気を手持ちの換気扇と手製ダクトで1階に送風し、補助暖房として充分使えることを確認していた。同じシステムで換気扇を床下に置き、冷気を1階に導こうと考えた。

キムチ空き容器活用のソケット
こちらが下側になる

 まず、換気扇をセットする木枠を端材で作る。土間コンクリートと換気扇の距離は2センチとした。送風用のダクトは暖気循環用と同じく、マットレス梱包材の薄い樹脂製メッシュを使う。
 換気扇出口部分にキムチの空き容器でソケットを作り、丸めた樹脂製メッシュの端部を差し込み、ケーブルで巻いて固定した。ダクトは1階床から1センチ下がった位置で長さを決める。


 ダクトの真上となる位置の点検口を、ダクトがぴったり収まるよう部分的に加工。電源コードは横の隙間から取り出し、直近のコンセントに差し込むと、目論見通りに冷気が出てきた。
 換気扇は連続運転の常時オン状態にし、入り切りはコンセントで直接行う。


 システムは7月中旬に完成していたが、今年は昨年のような猛暑がいつまでも訪れず、過ごしやすい日が続くばかり。冷夏のまま秋に突入か?と思い始めた矢先、久しぶりに最高気温が30度を突破し、ようやく本格運転の運びとなった。
 15時30分に運転を始め、その後の各種データは以下の通り。
(2階3ヶ所の窓を開放。エアコン&扇風機はナシ)

《15時30分》〜運転開始
・外気温:30.2度(札幌アメダス)
1階テーブル周辺:28.4度
・床下土間コン表面:21.5度
ダクト吹出口:21.6度

《16時30分》〜1時間後
・外気温:29.0度(札幌アメダス)
1階テーブル周辺:26.9度→運転により、1.5度下がった
・床下土間コン表面:21.8度
・ダクト吹出口:22.6度

《18時30分》〜3時間後
・外気温:26.3度
・1階テーブル周辺:26.3度


 外気温と1階温度が同じになった18時30分に換気扇を切る。その1時間後に1階温度は27.4度まで上昇。システムの威力を裏づけている。

 換気扇の仕様は、風量60m³/h〜5.7W。エアコンや扇風機に比べて維持費はごくわずかだが、想像を超える効果を実感した。安価でシンプルな「パッシブ冷房」として今後活用したい。

《追記》
 翌日も外気温が30度を突破し、14時から装置を運転した。

・14時:1階テーブル周辺〜28.5度(外気温31.6度)
・15時:1階テーブル周辺〜27.2度(外気温31.0度)
・16時:1階テーブル周辺〜26.5度(外気温28.5度)
・17時:1階テーブル周辺〜26.8度(外気温26.3度)→18時にオフ

 外気温が室温より下がると、冷却効果は弱くなる。