(前編からの続き)
深夜1時近くに首が痛くて目が覚めた。寝る前にも感じていたが、枕が私には高すぎる。座布団に交換して寝直し、朝5時に妻が温泉に行く気配で再び目覚めた。
寝足りない私は睡眠継続。ウツラウツラするうち、6時半には起きて温泉に入る。睡眠時間は正味6時間ほど。普段に比べて少ないが、旅とはおよそこんなものか。
朝食までの時間を使い、ネットで情報収集に励む。雨はひとまず上がったが、雲石峠の通行止めが解除されているかどうかは、行ってみないと分からない。
宿の方の助言もあり、リスクを避けて北のせたな町から今金町経由で長万部に抜ける道で帰ることにした。
部屋にあった観光案内を熱心に読んでいた妻が、名所の親子熊岩と荻野吟子公園を観たいという。早めに出ればどちらも見物可能で、位置をグーグルマップで確認した。
7時半ちょうどに朝食。1階大食堂での和食バイキングで、客は私たち以外に1人だけだった。
受付の案内に従い、消毒後に使い捨て手袋をはめ、トングを使って好みの食材を選ぶ。地味だが夕食同様に味つけは抜群で、特に海藻味噌汁が美味しかった。
早めにチエックアウトを済ませ、宿の全景写真を撮って8時50分に出発。雨は降っていないが、ガスがかかって視界はよくない。
せたな町とは逆方向の南に10分走り、奇岩 親子熊岩に着く。見物客は誰一人いず、荒れ狂う日本海の波が激しく岩肌を叩いていた。地の果てを思わせる漠とした風景だ。
時計は9時。ここから北をめざして走り、10時に荻野吟子公園に着く。渡辺淳一の「花埋み」のモデルとなった日本最初の女性医師である。私は読んでないが、妻が買った古い文庫本が本棚にある。
その荻野吟子が、せたな町や今金町と深い関わりがあることを初めて知った。(妻は若い頃から知っていたという)小さな公園には顕彰碑と銅像、年譜などが並んでいる。
近くの生涯学習センター内に資料展示室があり、来る機会もそうないので、ついでに観に行った。無料で見学できるが、コロナ禍対策として、住所氏名&連絡先を入口で記入する必要がある。
より詳細な年譜を始め、写真や手紙、戸籍謄本、メモ類、使っていた日常品などの各種資料が閲覧可能。
10時半に展示室を出て来た道を戻り、長万部町へと向かう。途中にある「ふれんど」というカフェを妻が見つけていて、珈琲を飲んでいくことにした。
運営母体は共同作業所としてのNPO法人。できたての手作りパンが多数並んでいて、パンと珈琲のセットが300円という安さ。朝食後3時間で空腹だったため、カレーパンとあんドーナツを美味しく食べた。
10時50分に店を出る。道を6キロ南に戻り、分岐路を東に曲がって長万部町をめざす。1時間弱で太平洋岸に出た。日本海に比べて波は穏やかだ。
ここから北に折れ、洞爺湖へと向かう。助手席の妻は早起きで疲れたのか、いつしか寝てしまった。
やがて道は230号線へ。道路標識に「札幌」が登場し始める。右手に洞爺湖の湖面が見えてきたが、濃い霧のせいで湖中心にある中島は大半がぼやけている。前方左手に見えるはずの羊蹄山も厚い霧の壁に閉ざされていた。
2時間以上も休みなく走り続け、13時5分に「道の駅とうや湖」に到着。当初は湖畔にあるカフェでオープンサンドを食べるつもりでいたが、前日のピザで洋食系は食傷気味の妻が拒否。
代案として麺類でも食べようかとなったが、メニューを選ぶうち、美味しそうな赤飯おにぎりとホタテ汁が目に入る。
麺類はパスしてさっそく注文し、窓際の席で食べる。どちらも身体に染み入るような得難い味だった。
店員さんに尋ねると、赤飯と思っていたのは「黒千石」という地元特産の大豆を使ったもので、つけ汁と一緒にもち米をまぜて赤飯ふうに炊いているのだという。
ホタテもまた地元の噴火湾産。初めて寄ったが、まさに道の駅ならではの名産料理だ。
13時25分に出発。めざすは札幌南区定山渓にある「カフェ崖の上」。こちらも以前からマークしてあったが自宅から遠く、なかなか行く機会がない。帰る途中に立ち寄れるこの日がチャンスだった。
いつも必ず寄る中山峠道の駅も、この日は素通り。空もようやく晴れてきて快調に飛ばし、14時40分に店に着いた。
店名の通り、川沿いの崖上ぎりぎりに建っている不思議なコンセプトのカフェ。最も眺めのよいガラス丸テーブルの席が運良く空いていた。珈琲とケーキのセットを頼み、眼下の絶景を足元経由で楽しみながらいただく。
以前は珈琲の味や店内の雰囲気でカフェを選んでいたが、最近は展望が重要な選択肢になりつつある。
この旅最後の休憩地を無事にクリアし、25分後に自宅にむけて出発する。
札幌市内に入ると道は次第に混雑し始め、途中でガソリンも給油して、自宅到着は16時45分。事前に組んだタイムテーブルより5分遅れただけで、想定外の出来事に遭遇した割には予定通りの結末となった。 今回のドライブ旅行に備え、散歩を中心とする事前の体力強化は怠らなった。昨秋の旭川日帰りドライブでは、ラスト40kmあたりで右足がつるというアクシデントに遭遇したが、今回は右手首が少し痛んだ程度で済んだ。
2日間の合計走行距離は552.9kmで、1日平均だと276km。休憩なしの連続運転はときに2時間を越えたが、ヒヤリとするシーンは皆無で、睡魔に襲われることもなく、無事に乗り切れた。
信号のない郊外の道が大半で、最終的な平均燃費は30.8km/Lという驚異の数値。燃費から逆算したガソリン代は2,800円。宿泊費が20,600円、飲食代が6,720円、合計費用は30,120円だった。
悪条件下でも充分な準備をすれば、高齢者でも無理なく安価にドライブ旅行ができるというのが、今回得た収穫である。
店員さんに尋ねると、赤飯と思っていたのは「黒千石」という地元特産の大豆を使ったもので、つけ汁と一緒にもち米をまぜて赤飯ふうに炊いているのだという。
ホタテもまた地元の噴火湾産。初めて寄ったが、まさに道の駅ならではの名産料理だ。
13時25分に出発。めざすは札幌南区定山渓にある「カフェ崖の上」。こちらも以前からマークしてあったが自宅から遠く、なかなか行く機会がない。帰る途中に立ち寄れるこの日がチャンスだった。
いつも必ず寄る中山峠道の駅も、この日は素通り。空もようやく晴れてきて快調に飛ばし、14時40分に店に着いた。
店名の通り、川沿いの崖上ぎりぎりに建っている不思議なコンセプトのカフェ。最も眺めのよいガラス丸テーブルの席が運良く空いていた。珈琲とケーキのセットを頼み、眼下の絶景を足元経由で楽しみながらいただく。
以前は珈琲の味や店内の雰囲気でカフェを選んでいたが、最近は展望が重要な選択肢になりつつある。
この旅最後の休憩地を無事にクリアし、25分後に自宅にむけて出発する。
札幌市内に入ると道は次第に混雑し始め、途中でガソリンも給油して、自宅到着は16時45分。事前に組んだタイムテーブルより5分遅れただけで、想定外の出来事に遭遇した割には予定通りの結末となった。 今回のドライブ旅行に備え、散歩を中心とする事前の体力強化は怠らなった。昨秋の旭川日帰りドライブでは、ラスト40kmあたりで右足がつるというアクシデントに遭遇したが、今回は右手首が少し痛んだ程度で済んだ。
2日間の合計走行距離は552.9kmで、1日平均だと276km。休憩なしの連続運転はときに2時間を越えたが、ヒヤリとするシーンは皆無で、睡魔に襲われることもなく、無事に乗り切れた。
信号のない郊外の道が大半で、最終的な平均燃費は30.8km/Lという驚異の数値。燃費から逆算したガソリン代は2,800円。宿泊費が20,600円、飲食代が6,720円、合計費用は30,120円だった。
悪条件下でも充分な準備をすれば、高齢者でも無理なく安価にドライブ旅行ができるというのが、今回得た収穫である。
《2日目の走行データ》
・走行距離:278.6km ・平均燃費:30.8km/L