2021年9月27日月曜日

野の花を飾る

 数日前、散歩の途中に小さな紫の花が土手で自生しているのに気づいた。キク科の花で、花が少なくなるこの時期には貴重だった。
 一本摘んで玄関の備前焼の花瓶に飾ってみると、なかなか絵になる。先月末には道端のセイタカアワダチ草を飾った。散歩の途中で見かけた野の花を飾るのは、今年のトレンドのひとつになりつつある。


「あら、いいわね。さり気なくてウチらしいわ」と妻にも好評。ミヤコワスレかしら?などと問うが、名前はよく分からなかった。
 たまたまお彼岸に差し掛かったため、短く切って仏壇にも飾った。


 今日になってツイッターに花の画像が流れてきた。「シオン:キク科シオン属の多年草」とあるが、これがどうみても先日摘んできた土手の花。

 調べてみると「紫苑」が正式名で、平安時代に中国から伝来してきた長い歴史がある。シベリアが原産で「十五夜草」の別名もある寒さに強い秋の花だった。
 念のためミヤコワスレも調べたら、紫苑に似ているが、花びらの数や形状、葉の形が微妙に異なる。細い多数の花びらと、笹に似た尖った葉が紫苑の特徴だった。


 今日は夕方に土手まで出かけ、野生化している紫苑を5本ほど掘り出し、庭に移植した。園芸店でも入手可能と思われるが、野生化している忘れな草と同じで、わざわざ買うまでもない。
 移植は春から初夏が望ましいらしいが、花が咲くまで見分けがつかない。ひとまず植えてみる。


 興に乗って仏壇に飾り終えた分を食卓にも置いてみると、こちらも絵になる。妻の言う通り、確かに「我が家らしい」のである。