2008年5月6日火曜日

連休のような人生

 風も雨もやみ、カラリと晴れた。勤めから妻が戻ったあと、末の息子の車に乗せてもらい、近くの百合が原公園に行く。

 私のよりもかなり大きい車は、駐車がやや難しい感じがしたが、乗り心地は抜群にいい。音も静かで、燃費も郊外だとリッター12キロという立派な数字らしい。
 最初の車は黒塗り、2台目は青のスポーツタイプと、あまり乗る気のしない車だったが、入社4年目にして息子も落ち着いたオトナの車の選択にたどりついたようだ。
 本来なら助手席にはオヤジや母親でなく、彼女が乗っていてもいい年頃なのだが、世の中車を買ったくらいで簡単に彼女が出来るような甘い仕組みにはなっていない。

 仕事はすっかり慣れて自信もついたらしいが、そっちのほうは全く別物。変わり者の両親の血を受け継いでいるから、フツーの価値観の女性じゃダメらしい。どこかに似たような変わり者がいるはずなのだが、本人がオヤジほど行動的ではないのが問題。
 仕事がない悩みに比べると、かなりゼータクな悩みなんでしょうが。


 公園ではムスカリの花壇が満開だった。毎年見たがっていた妻が、ついに願いを叶えて大満足。ラベンダーの景観には劣るが、なかなかのもの。
 隣接するサイロを改築した展望台に昇り、真上から眺めてみると、意外にぱっとしない。地面から見ると映える青の面積が、極端に小さくなってしまうからだった。なるほどね。

 その足で藤棚まで行ってみたが、さすがにまだ芽を吹いたばかり。この公園の名前にもなっている百合も、まだまだ小さい。
 道路沿いにかなりの数があるライラックがすでに5分咲き。ライラックは満開より、色が濃い5~7分咲きが好きだ。サクラ同様、こちらも今年は非常に早い。うかうかしてると、見逃してしまうよ。
 夕方、息子が函館に戻っていった。束の間の休息が、今年もあっという間に終わった。

 連休はまるで人生みたいだよな、と公園で息子と語り合った。途中の日々はそれなりに楽しく、充実しているが、振り返るとそれはほんの束の間で、最後の一日はどことなくさみしく、名残惜しく、そしていとおしい。
 50台後半の私たち夫婦は、いわば連休の最終日にいるようなものだ。楽しかった夢の日々を懐かしく振り返り、最後の夕暮れを静かに待つ。雨や嵐の夕暮れではなく、美しい夕映えの空になることを祈りつつ。