2024年6月5日水曜日

非日常空間を開拓

 テレビのクイズ番組で当たったすし券を使い、妻と昼食会をやった。
 当たったのが2年前で、これまで5店で利用した。2万円あって使用期限が来年末。使える店は多くなく、うかうかすると無駄にしてしまう。

 今回は妻の希望により、昨年の誕生会で利用した小樽の店に再び行くことになった。車でオロロンラインを35分走り、13時20分に到着。前回と同じ1,300円の寿司ランチを食べた。
 寿司通の妻が気に入っただけあり、これまで食べ歩いた5店の中では最も美味しい。寿司8貫に蕎麦、切干大根煮物、海老天&鶏唐揚とメニューは前回と変わらないが、寿司のホタテがカニに変わっていて、うれしくなった。


 充分に堪能し、同じ銭函地区にあるカフェへと向かう。物価高のあおりかカフェの閉店が相次ぎ、少ない情報から探し当てた希少な店だ。
 古い石造りの蔵を改装したレトロ風カフェで、1階はカウンター席で2階がボックス席。初めて訪れたむねを同年代と思しき経営者夫婦?に話すと、2階席を勧められた。


 急な階段を慎重に上ると、むき出しの構造材が豪快に走る私好みの造り。中央の屋根梁は300✕450もあり、テーブルは改装時に発生したと思われる150✕450の梁材を切り、そのまま天板に使っていた。
 壁も床も無垢材で、大工だった父が建て、私が生まれ育った田舎の家を思い出させる。

 珈琲を運んできたママさんに尋ねると、以前は呉服店の蔵だったとのこと。「大坂屋」という変わった屋号もその名残らしい。
 おそらくは銭函地区がニシン漁で湧き、隆盛を極めた時期に栄えた店だったのではないか。


 店内には古い足踏みミシンや火鉢、手回し電話機、ジュークボックス(2曲100円で現役)などあって、レトロファンにはたまらない店だ。
 珈琲は芳醇だが、やや薄味。非日常という気分を味わう空間と考えるべきか。

外壁には港町らしく、バショウカジキのレリーフが

 40分ほどいて退出。物価高騰は珈琲も例外ではなく1杯650円だったが、その価値はある。
 帰路はガソリン代節約のため、いつも利用する安売りショップの系列店に寄って定番食材を調達。一気に日常へと戻ったが、新たにカフェも開拓できて、流されがちな日々の刺激には充分なった。