2024年5月19日日曜日

24市電前Live 10th

 区役所近くの市民広場で実施されている路上パフォーマンスイベント「24市電前Live」に参加した。昨年10月に初めて出て、参加費不要&エントリーは当日会場でという自由なスタイルに惹かれた。
 介護施設や公的空間でのライブに閉塞感があり、開催が夜でアルコールを伴うライブハウス系の場は闘病中の身には不向き。雨天中止というリスクはあるが、新型コロナの感染リスクも少なく、開放的な屋外ライブは自分の活動の原点とも言えた。

 今年度の開催について、実は多少の不安があった。ネットで調べても全く情報がなく、思い余って代表のMさんに直接問い合わせたが、なぜか電話がつながらない。
 やるとすれば、これまでと同じ5〜10月、第3日曜のはずだった。あるという前提で1ヶ月前から選曲を絞り込み、日々練習に励む。5日前からは黒豆煮汁で入念に喉を調整した。


 当日は暑くも寒くもない天気。やや風は強いが雨の気配は皆無で、屋外イベントには絶好の条件だった。

 10時25分に家を出る。起床後3時間が経過してないため、リハの類いは一切やらず、軽い発声練習だけで済ませた。
 会場に向かう経路は前回と変えた。量販店から幹線沿いのバス停まで1.1キロ歩き、そこからバスに乗れば乗り換えなしで会場近くに着けることをネット検索で知った。



 エントリー締切直前の11時25分に会場着。引退した市電車両の展示は変わってないが、会場前のイベント案内板は新しくなっていて、今年度も開催されることを示している。準備は無駄ではなかった。

 エントリー表に名前を記入し、しばらくして代表のMさんから挨拶と演奏順の発表がある。
 2022年から始まったこのイベント、今回で10回目となるそうで、参加は過去最高の13組。表に名前が書ききれず、一部がはみ出すという盛況だった。


 私の順番は前回の3番から5番に下ったが、好きな早い順番であることに変わりはない。「演奏時間は正味10分厳守」と再確認がある。イベント時間は12〜15時と不動で、当日の参加者数で割り振るルール。
 順番がくるまでやや時間があり、持参のサンドイッチを半分だけ食べて備えた。

 前回と同じく、12時ちょうどにスタート。参加者は全員が音楽系でインスト系が7組、ボーカル系が6組。男女比は9:4だが、人数は10:9と大差ない。
 以下は演奏の概要。(注釈なしは男性)
1)サキソフォーン独奏(BGM付):演歌(代表Mさん)
2)ギター弾き語りソロ:オリジナル
3)オカリナ重奏(BGM付):洋楽系(女性2人)
4)ギター弾き語りソロ:フォーク系
5)菊地トムノ:ギター弾き語り
 「パープルタウン」(J-POP)
 「エンド・オブ・ワールド(オリジナル訳詞)
 「夕凪ワルツ(オリジナル作詞)
6)ギター弾き語りソロ:オリジナル
7)アコーディオン独奏:洋楽系
8)オカリナ重奏(BGM付):POPS系(女性5人)
9)フルート独奏:洋楽系
10)アコーディオン独奏:洋楽系(女性)
11)ギター弾き語りソロ(BGM付):オリジナル
12)ボカロソロ(BGM使用):POPS(女性)
13)エレキ&カホン:ベンチャーズ(3人)


 オープニングアクトは代表のMさんによるサキソフォーン独奏。てっきりジャズ系の曲かと思いきや、演歌を2曲並べて驚かされた。変わらぬ堂々の演奏である。
 以降、いい調子でトントンと演奏が続く。インスト系とボーカル系、男性&女性のバランスが程よく、演奏順を決めたMさんの構成も効いて、飽きさせない内容になっていた。


 私の演奏は12時45分あたりから。当日まで持ち時間がわからないという不確定要素があり、季節感を含めた選曲には相当悩んだ。
 過去の例から演奏時間を10〜20分と想定。「起」「転」「結」の3曲をまず決め、状況に応じて他2曲を間に入れて調整することにした。

 基本の3曲は正味10分で収める必要がある。「起」としてチカチカパフォーマンスで1曲目によく歌ったノリのいいJ-POP「パープルタウン」。「転」として緩やかなアルペジオの洋楽「エンド・オブ・ザ・ワールド」をオリジナル訳詞で。「結」として路上ライブでは受けのよいクラシック系オリジナル「夕凪ワルツ」を最終決定した。
 予備となる2曲に昭和歌謡の「赤いスイートピー」「時の過ぎゆくままに」を準備したが、結果として歌えずじまい。


 譜面台は自作の品を持参したが、風が意外に強くて低めにせざるを得ず、譜面がやや見えにくい。これが1曲目の前奏でコードの一部を見落とすという失態につながった。
 出だしのコードAmを2小節弾いてどうにか歌い出しのきっかけをつかむ。トラブルを切り抜ける咄嗟のゴマカシ業も時には必要か。
 以降はほぼ練習通りに演れた。黒豆煮汁の調整が効いて、喉の調子は前回よりも遥かによい。原因不明の左手首痛はサポーターを二重に巻いた対策が効き、支障なく演奏できた。

 聴き手の多くは参加者で、通りすがりの市民は10人余り。併せて30人ほどがオーディエンスで、前回よりも少なめ。今年度最初ということもあってか、終了まで数の変動はなかった。
 ぴったり10分で歌い終わると、期せずして会場から「ブラボー!」の掛け声。アンコールはないルールだが、それに匹敵する反応と手応えを感じた。


 7番目のアコーディオン独奏Nさんは、実はかっての音楽仲間で、4〜5回ライブでご一緒したことがある。自宅ライブにも来ていただいた。全くの偶然で、「お元気でしたか」と互いの無事を確かめあった。
 コロナ禍もあっていつしか疎遠になり、調べてみたら9年ぶりの再会。自分の演奏のほか、他の演奏者のまとめ役もやっていて、オカリナ演奏の女性をその場で紹介された。
 同年代だが、私よりやや年上。まだまだ意気盛んで、おおいに励まされた。


 ラストは3人組のベンチャーズメドレーで盛り上がり、参加者相互の絶妙なバランス感覚もあって、時間ぴったりの15時に終了。相変わらず進行は正確だ。

 前回からの継続参加者は13組中7組。今後の動向はまだ読めないが、この日は地元紙の取材もあった。さらなる告知がされれば、次回は15組オーバーの可能性も充分にある。
 自己責任の範囲で無理なく歌え、演奏へのプレッシャーは少ない。天候と体力次第だが、いまの自分には向いている貴重な場だ。