かって路上ライブを盛んにやっていた時期、投げ銭をドルでもらったことが数回ある。「いつ」「どこで」となると、実は記憶はあやふや。投げ銭が入るのは大半が歌っている最中だから、よく覚えていないことも多いのだ。
はっきり記憶にあるのは、北海道庁赤れんがアーティストの事業で赤レンガ前で歌っていたときのこと。左側から現れた欧米系の男性が、早足で通り過ぎる瞬間に、1ドル札を投げ入れてくれた。男性は立ち止まることなく、そのまま通り過ぎていった。
投げ銭はじっくり歌を聞き終えてから入れてくれるケースと、通りすがりに風のように投げ入れてくれるケースの2通りある。
前者の場合はお礼を言ったり言葉を交わす時間があるが、後者の場合はまさに風そのもの。どちらにも得難いありがたみを感じたものだった。
そんなドルが使えないまま1ドル札で3枚、クォータードル貨で2枚溜まっていた。正式な手続きを経た路上パフォーマンスはコロナ禍がきっかけで事実上打ち切りとなり、復活の見込みはない。
折も折、円安が急速に進んでいて、円に交換するならいまがチャンスだった。
合計3.5ドルの扱いについて調べてみると、各種外国通貨を日本円の電子マネーに交換してくれる「pocket-change」という無人両替機があることを知った。直近では札幌駅北口に置いてある。
先日のライブの帰り道に少し遠回りして、冬眠状態にあるドルを交換することにした。
場所は事前によく調べておいたが、構内の一部が工事中で、たどり着くのに時間がかかった。ようやく見つけてさっそく操作。
手順は難しくなく、硬貨2枚は簡単に認識。ところがドル札がなぜか認識されず、戻ってきてしまう。
繰り返すうちにようやく1枚は認識されたが、残り2枚は表裏や前後を変えて10回以上試してもうまくいかず、ライブでの疲れもあって続行を断念した。
結果的に認識されたのは1.5ドル分だけ。当日の交換レートが1ドル132円(手数料込)で、計198円分をnanacoカードにチャージして終了となった。遠回り分の交通費を考えると、とんだ骨折り損だ。
納得できずに帰宅後に再調査。すると、ファミリーマートでも自動外貨両替サービスをやっていた。
こちらも無人の自動両替機だが、対応は紙幣のみ。機械が異なるので、pocket-changeでハネられた紙幣でも認識する可能性はある。
札幌や小樽の都心部に何台か置いてあり、近くに行く際は再挑戦してみたい。