先日の本修繕ボランティアでのハナシ。昨年自作して図書館に寄付した木製大型クリップを絵本の補修に使おうとしたが、幅がわずかに足らず、やむを得ず目玉クリップで代用した。
その後、係員のAさんから依頼されたノコを使った大掛かりな補修にも、本来なら木製大型クリップを使う場面。しかし、こちらも同様にサイズが足りない。
スタッフ2名に本を押さえてもらい、なんとかやり終えたが、まさか1日に2度も同じことが起きるとは。
根本的な問題は、A4クラスの大型本になると現状の木製クリップは小さすぎて使えないこと。Aさんからは「重宝しています」と感謝されているが、大型本に使えないのは大きな弱点だった。
最初に使ったのは小型の単行本で、B5サイズ以下なら問題ない。そこで現状のクリップは小型本専用と考え、A4クラスの大型本にも対応する木製クリップを新たに作ることにした。
現状の木製クリップは幅60ミリほどの12ミリOSB合板を使い、背面を木材で補強している。実際の補修では背の部分だけを強固に締めるケースが大半で、幅は狭くても太めの木材で用が足りると考えた。
端材を見繕い、厚さ16✕幅36✕長さ400の木材を2本チョイス。あちこちにドリルの加工穴がある再生材で、まずこの穴を埋めて補修する。
端部から15ミリ内側に、6ミリのドリル穴を両側に開ける。片側だけ10ミリのドリルで浅く穴を広げ、通したボルトの頭が動かないようにした。
手持ちのM6ボルトと蝶ナットを通し、内側に本を挟んで締めてみると、構想通りに使えそうだった。
ただ、板が厚くなった分、はさめる本の厚さは18ミリが限度。これでは長さが足りても、厚さの面で不都合が生じる。
手持ちのM6ボルトは長さ50ミリ。家にある本の厚さを調べると、百科辞典類を除き、32ミリが最大。逆算してボルト長さは65ミリあれば、ひとまず足りそうだった。
ホームセンターで長さ65ミリのM6ボルトと蝶ナットを調達。ボルトが42円で蝶ナットが50円、これを2セット使う。
さっそく加工済みの木材に通し、A4の大型本をセットして締めてみると、中央部がわずかにたわんでしまった。たとえわずかでも隙間ができるのは、補修作業において好ましくない。
2本のボルト間隔は370。対して大型本の長さは300で、両端が35ずつ余り、蝶ナットをきつく締めると、この遊び部分が木材のたわみにつながるとわかった。
そこで本の長さに応じてボルトの位置を調節できるよう、内側2ヶ所に新たな穴を開けた。これにより、ボルト間隔は330と290にも変えられる。テストした限りでは、適切なボルト間長さを保てば、木材の変形は生じない。
今後実際の補修作業で使ってみて、さらなる改良を加える可能性はあるが、現状より作業性が増すことは確実だ。