2023年8月9日水曜日

姪の墓参り

 インターハイに出場する我が子の応援で、遠方から姪(三姉の長女)が北海道にやってくると、2ヶ月ほど前に連絡があった。会場は旭川だが、めったにない機会なので、途中で抜け出して札幌にある我が家の墓参りをしたいと言う。
 霊園は札幌南部の山間部にあり、地下鉄やバスを乗り継いで行くと相当の時間がかかる。この種の要請はすべて私が車で案内していて、今回もそうすることにした。

 数日前からメールでやり取りし、以前の実家近くの地下鉄駅出口で待ち合わせることになる。自宅から霊園に至る経路の途中にあり、時間的ロスがない。短時間なら停車可能な区役所降車スペースもあった。
 13時10分に合流し、途中にあるスーパーで姪が供花を購入。14時前には霊園に着いた。
 30度を超す暑い日だったが、お盆間近とあって、霊園はそれなりに混雑していた。普段はみかけない誘導員も随所に配置されている。


 5月末に妻と来たばかりだが、姪にとっては初めての墓参。(姉は父七回忌のあった2014年に済ませている)お墓の清掃や供花などをやってもらい、ロウソクと線香を立てて焼香。「〇〇さんが来てくれたよ」と、私からも声をかけた。
 父と母がまだ若かった頃に生まれた孫で、当初は実家から歩いて数分の場所で暮らしていた。その後遠方に引っ越したあとも手紙や電話での交流が長く続き、7人いる孫の中ではもっとも強いつながりがあったように思える。
 母が亡くなった時期とコロナ禍とが重なり、葬儀の参列はできなかったが、ようやく思いが叶って、父母も喜んでいたに違いない。いい供養になった。
 終了後は我が家に移動し、15時40分に到着。姪は20年ほど前の新婚旅行の折に来ているらしいが、当時はブログの記録もなく、私の記憶はあやふや。
 英語と家庭科の中学教師をしている姪は好奇心が強く、話題も豊富。家の内外をまず案内し、古いアルバムを引っ張り出して懐かしい思い出話や、親から子、そして孫へと脈々と伝わる長くて深い思いに至るまで、お茶や夕食を囲みながら延々と話しこんだ。


 夕食メニューは道産の黒千石大豆を使った炊き込みご飯、鶏肉とジャガイモの揚げ物、酢だこ、高野豆腐と切干大根の煮物など。寿司や刺身はなかったが、妻と私とで作った料理は、なかなか美味しかった。

 食後も話はつきず、ふと思いついて冷凍庫にある手作りのラズベリーアイスクリームをふるまう。孫娘専用になっているが、作ったばかりで在庫は十分。紙コップからガラス食器へ移し、庭からミントを採ってきてトッピングすると、立派なデザートに変貌した。
 自分で食べるのは久しぶりで、暑さのせいもあって甘さと風味は格別。外の店では食べられない貴重な味に、姪にも喜んでもらえた。

 翌日の移動のこともあり、21時にお開き。3年後に実施予定の母七回忌での再会を約束し、最寄りの地下鉄駅まで送り届けた。
 姪とは父三回忌以来、13年ぶりに会ったが、2児の母として、一社会人として、確かな人生を歩んでいるように感じた。流されがちな日常のなかで、とてもよい刺激になった。