2023年8月7日月曜日

図書修理専用の接着剤

 今年度8度目の地区図書館、本修繕ボランティアの日。5週間ぶりの活動で、夏祭りや第5月曜が重なったりし、間隔が空いた。(活動日は第1、第3月曜)
 9時50分に到着。参加率60%と少なめだった。補修対象の本が大量に溜まっていて、まずは継続中の絵本修復から始める。

 補修の繰り返しでページが不揃いになった絵本をいったん解体し、体裁を整えてから強固な糸とじに変更。寒冷紗で補強して表紙にボンド固定した。これが過去2回までの作業。
 3度目となる今日は、本体と表紙の間に5センチ幅の紙をボンドで貼り、糸とじ部と寒冷紗を完全に隠しつつ、補強をかねるという作業。係員と相談のうえ、補強に使う紙はグレー系の厚紙に決まった。


 5センチ幅で切って、折り目となる筋をスクレイパー先端で縦につける。図書修理専用の接着剤(ビニダイン)を筆で全面に塗り、すばやく貼りつけた。
 以前は水で薄めて貼っていたが、扱いやすくなる反面、乾くまで時間がかかるという難点があった。薄めるのは最低限とし、つとめて原液で塗るようにした。
 完了後はダブルクリップで固定。2時間後には、ほぼ乾いていた。
 続けて恐竜が主役の立体絵本の修復をする。ページを開くと様々な怪獣が飛び出してくる楽しい仕掛けがあり、子供たちが面白がって何度も開くせいか、パーツの脱落が激しい。

 完全脱落したパーツを接着剤で再固定したり、一部は透明ブックカバーで補強した。動作部の破れたページは原寸型板を作って補修パーツを作り、接着剤で固定。
 ただ、脱落したパーツが見当たらないページも複数存在した。1冊しかない絵本で復元は難しく、作業はここまで。


 その後、ページが脱落しかけた文庫本を補修したり、小口部分に茶色いシミがついた本を紙やすりで清掃したりする。

 お昼近くになり、参加者はじょじょに帰り始めた。2週間後の次回にむけ、補修を繰り返してページ全体が不揃いになっている絵本の修復計画を係員と共に練る。
 検討のすえ、今回終わらせた絵本の「糸とじ方式」でやる方針が決まる。作業は複雑になるが、美しく強固に仕上がる。貸し出しを繰り返して傷みやすい絵本の修復には絶好なのだ。