今年度9度目の地区図書館、本修繕ボランティアの日だった。10時少し前に到着し、この日の参加率は60%。あれこれ忙しいが、年度が変わってから皆勤を通している。
5類に変更になったとはいえ、社会の諸活動にはまだまだコロナ禍の影響が少なくない。感染リスクが比較的少なく、費用負担が発生しない社会活動として、自分には貴重な場だった。
持ち越しの補修本はなく、前回終了前に係員と相談済みだった絵本の修復に取り掛かる。
糸が切れてバラバラになった4つの丁合(2枚を二つ折にし、8ページ分が1セットになっている)をまとめる難しい作業だった。
方針として、8ページ分の糸を止め直すのではなく、計32ページをまとめてとじる「糸とじ方式」でやることに決まっていた。
まず表紙と本体をカッターで切り離す。次に離脱したページを透明カバーで暫定補修した部分、計7ヶ所を剥離液ですべて外した。
続けて32ページ分をまとめて整え、ダブルクリップで仮固定。はみ出した糸を切り捨て、わずかなページのズレは紙やすりで均した。
糸とじ用の穴を鉛筆でマーキングし、持参の千枚通しで開ける。穴の間隔は前回と同じ2センチで、位置は背から3ミリだ。
糸とじは持参の革工芸用の針でやるつもりが、先端が太すぎて製本には使えなかった。針は前回と同じものを使い、糸はタコ糸よりやや細い「絞り染め用くくり糸」を2本取りで使うことになる。
慣れてきたこともあって糸とじは簡単に終わり、背の部分に寒冷紗を幅50ミリで切ってビニダイン接着。左右のはみ出し部は前回と異なり、本体ではなく表紙に接着することに。
ボンドを極力薄めずに使ったため、短時間で乾いた。
本体と表紙をつないで補強し、同時にとじ糸と寒冷紗を隠す紙を見繕う。見返しに近い薄緑の封筒があり、幅58ミリに切ってボンド接着したが、紙厚が薄いせいか、接着に失敗した。
切り直して再挑戦するも、今度はシワが発生して仕上がりが美しくない。反対側は紙ではなく、表紙と本体にボンドを塗って貼ったら、今度はうまくいった。シワの出た側を貼り直したいが、紙のストックがない。いずれ別の紙で貼り直したい。
最後に怪獣の立体絵本の修復を再度やる。脱落したパーツが見つかり、前回担当した関係で、追加の修復をすることになった。
飛び出す絵本は子供にとって面白いに違いないが、人気に比例して壊れる頻度も増える。今後も修復は発生しそうだ。