2023年3月6日月曜日

無線とじを糸とじに

 通算10度目となる地区センター図書館、本修繕ボランティアの日だった。今年度の活動が今日を含めて残り2回。胃ガン手術や次男の手術立会いなどが重なり、出たり休んだりだったが、最終月くらいは休まずに終えたい。
 いつもより早めの10:25に行くと、他メンバーも同じ考えでいたのか、珍しく9名全員が参加していた。

 メンバーの手際がよくなり、今日も作業棚に補修対象の本は残っていない。対象ではないが、手垢で小口が汚れている本の紙ヤスリがけをやることにいったんは決まった。
 ところが担当のAさんが「実は直そうと思いつつ、ずっと保留状態の本があります」と突然言い、どこからか大型の絵本を持ってきた。


 見れば表紙から本文ページが完全に脱落し、しかも各ページがバラバラに分離して傷みもひどい。補修を繰り返した痕跡があり、廃棄されてもおかしくなかったが、希少本なのか補修したい意向だった。
 バラバラのページをカッターと紙ヤスリで大きさを整え、糸でとじて背の部分を布で補強し、乾燥後に脱落している表紙にボンド接着するという面倒な修繕手順だった。

 1日で作業をやり終えるのは困難で、第1段階として背の布補強までを終わらせることにした。
 小口の部分でページを整え、天地をダブルクリップで固定。ギザギザに乱れている背の部分をカッターで1ミリほど切り落とす。その後紙ヤスリで小口と背の両方を平坦に均した。


 無線とじを糸とじに直す作業は、実は中学校時代に漫画雑誌の連載を順にまとめ、自分で描いた表紙をつけて製本した経験がある。
 記憶を頼りにタコ糸でとじることにする。穴の位置は背端部から3ミリ内側とし、とじる間隔は25センチを4分割して5ヶ所と決めた。

 タコ糸は3本よりをほぐして1本だけ使う。千枚通しで穴を開け、針に通したタコ糸で本返し縫いする。きつく締めながらしばろうとしたとたん、糸がぷっつり切れてしまった。1本では弱すぎたらしい。
 残ったタコ糸2本をそのまま使い、再挑戦。今度はうまくいった。端部をボンドで固めて終了。

 次に背を補強する布(寒冷紗)を3センチ幅×27センチ長で切り取る。平坦になった背にボンドをつけ、布を接着してダブルクリップ固定。2週間後の次回修繕日まで、そのまま乾燥させることにした。
 作業終了は12:10。早く来た分、早めに終わった。