2023年3月20日月曜日

ボランティアの真髄

 今年度最後となる地区図書館、本修繕ボランティアの日だった。私は2回目からの参加で、全16回のうち、今日が11回目。自身の胃ガン手術や次男の手術立会いなどで途中何度か休まざるを得なかったが、参加率としてはまずまずだった。

 10時半に到着し、前回手掛けた絵本修理の続きをやる。バラバラのページをまとめて整形してからタコ糸でとじ、背に補強用の寒冷紗布をボンドで接着して乾燥させてあった。
 ダブルクリップを外して確認すると、修理部分はすべて固まっている。背から1センチほど左右に飛び出した寒冷紗布を破れた表紙と見返しの間にさしこみ、ボンドで固定するのが今日の工程。


 最初に背の部分にボンドをまんべんなく塗り、表紙に対して上下左右の位置決めをする。
 ボンドは速乾性ではなく、その状態を維持しつつ、寒冷紗布と表紙、そして見返しの該当部分にボンドを塗り、差し込んでダブルクリップ固定するという難易度の高い作業だった。

 状況次第では背の固定だけでやめておき、乾燥後に寒冷紗布を固定する可能性もあったが、運よく全てが支障なく収まってくれて安堵した。
 前回止めたタコ糸の一部に緩みが発生したため、次回に再調整するかもしれない。傷みの程度がひどいので、そう簡単には終わらない。
 時間は11時半あたり。続けて新刊本2冊の透明ブックカバー(ブッカ)かけを依頼された。ブックカバーかけは過去に何度か手掛けたが、どうもうまくやれない。最も苦手な作業だった。
 しかも今回はまっさらの新刊本で緊張は高まる。カバーかけは純粋な修繕とは言えないが、「傷みを事前に防ぐ措置」という意味で、やはり修繕作業の範ちゅうなのだろう。

 カバーかけの作業工程はデジカメ画像を元に、自分でマニュアル化してあった。今回は表紙と裏表紙の見返し部にも印刷があり、「表紙の小口部分をオープンにしつつカバーをかける」という普通とは異なる工程がある。
 参考のために係員の作業をまず見学し、続けて自分の割当て分を手掛けたが、25分ほどで問題なくやれた。たぶん過去最高の仕上がり?と自己評価。


 すっかり気をよくして2冊目にとりかかる。同じシリーズの本ということもあって問題なく終わるはずが、最後の最後で表紙の小口部分に微妙なシワを見つけた。
 係員はそのままでよいとも言ってくれたが、納得できずに剥離液で一部をはがし、再度貼り直す。
 なんと今度は別の場所に小ジワが発生してしまった。好事魔多しとはこのこと。やはりカバーかけ作業は、ある種の鬼門らしい。

 終了は12:20。実は来年度の活動継続を前回打診されていて、少し迷ったが受諾した。時にズッコケながらも、特技はある程度活かせているし、この年齢で自宅以外に居場所が複数あるのは悪いことではない。
 報酬はないが、持ち出しもない。そして求められている。好奇心がそれを支える。これぞボランティアの真髄である。