2008年4月3日木曜日

椅子を作る

 一日がかりで椅子を作った。といっても、得意のDIYの話ではなく、仕事で使う3D-CGデータでの話。
 このところ室内パースの注文が急増し、手持ちの家具データの使いまわしでは限界を感じ始めていた。

 建物はメーカー毎にデザインが異なるが、点景となる樹木でも花でも空でも家具でも、同じ物ばかり使ってしまうと、同じような雰囲気の画像となってしまい、時にクレームになりかねない。
 理想的なのはメーカー毎に異なるデータを使うことだが、すべてのメーカーで違う素材を使い分けることは、現実には難しい。


 そこで樹木や花なら、枝ぶりを加工したり花の配置を変えたり、露出を調整して色あいを変えたり、空なら雲の数を増やしたり、家具ならシートの色や木の質感を変えたりして工夫する。
 それにも限界があるので、雰囲気の異なる新しい素材を定期的に補充するのは、飽きられない仕事を長く続けるうえで、とても大切なことなのだった。
 今日は絶対量が不足している椅子を作った。参考になる写真をいくつか見繕い、およその寸法を写真から推測し、データを作り上げてゆく。実際に木材を加工して作るのとは別の難しさがあるが、図面で寸法が指定されることが大半の建物と違い、デザインの自由度が高いので、なかなか面白い。
 写真はその完成図。直線的なラインと自然素材が好きなので、どうしてもそんなデザインに偏りがちだが、明日以降、もっと曲線的な椅子とメタリック素材の椅子もそろえる予定。

 新たなライン業務が入るまで、地道だが大切な作業がしばらく続く。