ちょっと難しい話になるが、我が家は「パッシブ換気」という自然の温度差を利用した換気暖房システムを採用している。床下から外気を取り入れ、室内を循環させて2階天井から抜いてやるという、電気を全く使わない、非常にエコロジー&エコノミーな手法だが、季節の変わり目での天井換気口の調整がやや面倒で難しい。
2階ロフトの最上部につけてある直径150ミリの換気口は、通気量を微妙に調節できる仕組みになっている。外気温の高い夏場は全開放でOKだが、秋から冬にかけて、外気温が10度以下になり始める時期には開放量をツマミで調整し、通気量をコントロールしてやる必要がある。
こうすることで、換気による熱損失を最小限にし、暖房費を節約しようというのだ。全開放では換気過多で寒く、暖房をつけたときもエネルギーの無駄が生じる。完全に閉じてしまうと換気量がゼロになるので、これまた駄目なのだ。経験的に冬期は20-30%くらい開けてやるのがちょうど良い。
以前はハシゴに昇ったり、長いひもをつけたりして換気口を調整していたが、入居して8年たったいまは椅子に乗り、長い棒を使って簡単に調節する手法を考えだした。
パッシブとは本来、機械の力に頼ることなく、自然のエネルギーを利用するシステムをいう。我が家では換気だけでなく、暖房や除雪、給湯などにもこのパッシブの概念を有効に活かし、エネルギー消費を抑制している。今後生活のありとあらゆる分野で、必須の考えになるはずである。
工夫次第で初期コストも非常に安く済むが、理解者はごく少数。エコロジーなどというものは、得てしてそのようなものだ。