2025年5月6日火曜日

メルカリで初出品

 フリーマーケットのメルカリで、初めて出品にトライした。
 2019年からの6年で、PC関連品やライブ用の音響機器から始まり、食料品やDIY関連、園芸植栽など、幅広いジャンルで20回以上利用。ネット通販にはない品揃えと、リーズナブルな価格設定が魅力だった。
 使うのはもっぱら購入で、出品は一度もない。かってはヤフーオークションで10回ほどの出品実績があり、出品に拒否感があるわけではないが、写真を撮ったり説明文を考えたり、梱包して発送する手続きが煩雑で、つい避けていた。

 今回初めて出品する気になったのは、3年間使ったWiMAXの無線LANルーターが契約更新で不要となったこと。支払いは分割払いで済んでいるため、中古品として売れると判明。リサイクルショップに持ち込むより、メルカリなら価格的に有利と知った。
 ヤフオクを避けたのは、オークション機能がないこと。送料込みの価格を設定し、一発で購入が決まるシステムが自分には向いている。
(その後、メルカリにもオークション形式の選択が可能と判明)


 同じ商品の情報を事前に詳しく調査。長くネット事業をやっている長男から「欲張らないで低めに価格設定すれば、すぐ売れるよ」とのアドバイスをもらう。
 旅行やライブなどに忙殺され、GWに入ってようやく作業を始めた。

 最初に商品の撮影に取り掛かり、取説を含めて計5枚(最大20枚)を撮る。推奨画像サイズは1080×1080の正方形。これを知らずに長方形で撮ってしまい、画像ソフトで修正した。
 続いて商品の説明文を書く。メーカー、生産年月日、使った期間、使っていた状況、商品に含まれないもの(箱とSIM)、汚れの状態etc、情報は具体的に詳しく不都合な部分も記す。今回は取説にマーカーのラインと鉛筆の書き込みを消した跡があり、隠さず書いて写真も撮った。

 準備が整って、いよいよ出品。まず写真を順にアップロードする。するとメルカリ側で画像を分析し、カテゴリや推奨価格を提案してきた。過去のヤフオクにはなかったことで、おそらくAIが関わっているのではないか?
 続いて商品名称、説明文、カテゴリ、商品の状態、配送料負担、配送方法、発送元地域、発送までの日数を順に設定。価格は熟慮のすえ、メルカリ推奨価格の端数を切り上げて決めた。


 出品時刻は昨日の22:45で、過去の同商品を調べると、安めの価格設定なら出品後1日以内には購入されている。
(売れるとすれば、翌日中か…?)と思っていたら、なんと30分後の23:15には「売れました」とのメールがメルカリから届いた。

 あまりの早さに驚きつつも、さっそく取引相手にお礼のコメントをメルカリ経由で送る。普通はいくつかの「いいね!」がついてから売れるものだが、「いいね!」はゼロで、いきなり売れている。ときどき発生するという値引き要請もなく、先方(地域や名前は匿名)はよほど急いでいたのか。
 こうした展開も想定し、商品は清掃を済ませて防水ビニール袋とプチプチ緩衝材で包み、手頃な段ボール箱に準備してあった。
 一夜明けて、朝食もそこそこに発送手続きをする。配送方法は出品時に「らくらくメルカリ便」を設定してある。ヤマト運輸が扱っているメルカリ独自の配送サービスで、送料は全国一律。通常かかる送料との差額をメルカリが負担してくれるのが大きなメリットだった。
 対応サイズは幅広く、今回は宅急便の60サイズ(750円)に収まる。最初に設定しておけば発送時に専用のQRコードが発行され、自分と相手の宛名書きは不要。これにより、匿名発送が可能となる。
 万一配送中に商品の紛失、破損が発覚した場合はメルカリがサポートしてくれ、まさにメルカリのための発送手段といえる。


 発送は指定コンビニ等でも可能だが、散歩コースの途中にヤマト運輸の営業所があり、梱包の済んだ商品を持ち込んで手続きをした。
 まず店内にある「ネコピット」という機器で「2次元コードをお持ちの方」を選び、メルカリから発行されたQRコードをスマホに表示して読み込ませる。
 商品内容を確認後、配送希望日と時間を選び(ネコポス以外)、送り状を印刷。
 印刷された送り状を自分で切り取り、荷物に貼って受付に出せば終了。(控え伝票がもらえる)配送料はメルカリ経由で請求されるため、ここでは支払わない。
 特に難しいことなく、手続きは終わった。受付の対応がよく、疑問点は親切に教えてくれた。

 やや手間取ったのは、スマホへのQRコード表示。実はスマホのメルカリ専用アプリをまだ使ってなく、メルカリはすべてPC経由で利用していた。購入だけならこれで支障ないが、出品となると難しい。スマホの専用アプリならQRコード表示は簡単にやれる。
「メルカリで商品を出品」は認知症予防の一環として「なにか新しいことを」と、自分に課した今年の目標のひとつだった。
 商品到着には数日かかり、先方に着いて評価を受けるまでが取引。ヤフオクを含めて過去にトラブルは一度もないが、無事に到着したなら、新たな不用品の出品も今後は考えたい。

追記
 5/8にメルカリ経由で商品の先方到着を確認。無線LANルーターという特性上、購入者がフリーSIMなどを使って動作確認するのに時間がかかり、評価が届いたのは2日後の5/10午後。
 結果として問題はなく、互いの取引評価を経て無事に取引終了。代金は入金となった。
(代金には販売手数料10%配送料が引かれている)
(残高は振り込みで現金化したり、本人確認を終えていれば、別商品の購入にも使える)

2025年5月4日日曜日

GW家族会

 前日に連絡があって、長男一家が急に遊びにやってくるという。いつものGWなら道南で暮らす独身の次男が合流するが、あいにく今年は仕事の都合で帰省しない。
 ただ、完全中止となれば孫娘が長いGW休暇を持て余しかねず、都合のつくメンバーだけ集まることに。

 2月にやったバレンタイン家族会と同じく、近隣のはま寿司で回転寿司をテイクアウトし、バスでやってくる孫娘とお嫁さんと14時に駐車場で待ち合わせる。(長男は別ルートの自転車で来訪)
 14時半くらいに全員が集合し、午前中にお嫁さんが近所で買ったという美味しいボタ餅でオヤツタイム。母が作った味によく似た、上品な甘さだった。(写真は撮り忘れた)


 その後、私が数日前に作っておいたラズベリーアイスを食べつつ、孫娘が持参した2年生のときの学校作品を見せてもらう。
 絵も工作も作文もよくできている。学校では図工と音楽が得意だという。読書感想文も読ませてもらったが、視点がなかなかいい。文体もまとまっていて、先生の花丸がついていた。
 創作全般の才知をあちこちから受け継いでいるようで、将来が楽しみだ。

 17時半くらいに寿司を食べる。孫娘の食欲に目を見張った。いつものメニューでは足りないほど。測ってみたら、身長がこの2ヶ月半で3センチも伸びている。よく食べるはずだ。
 4月から3年生になって、もうすぐ9歳。母親の背を追い抜くのも時間の問題か?


 18時半くらにお開きにしようとしたら、「スイカを食べ忘れているわ!」と妻が叫ぶ。午前中からバケツに入れ、浴室に置いて水と氷で冷やしておいたのを、すっかり忘れていた。
 あわてて取り出して包丁で切り、食卓に並べる。いつもこの時期に熊本の親戚から送られてくる名物、金山スイカである。変わらぬ甘さと瑞々しさを堪能。
 食べきれない分は土産に持たせ、30分遅れの19時に解散。最寄りの地下鉄駅まで車で送った。ちょっとあわただしかったが、今年のGW家族会も無事にやれた。

2025年5月1日木曜日

桜とラズベリーアイス

 気温が18度まで上がり、天気予報がパッとしないGWの中日としては、絶好の日和。平日とあって特にイベントはないが、自宅を中心に東から西へ川沿いの道を一周する散歩コースを、今年初めて辿った。

 腰の調子もまずまずで、およそ3キロ(≒4,000歩)の道のりをテクテク歩く。西側の川沿いにある遊歩道の桜並木が、ほぼ見頃になっていた。ささやかだが、今年の花見はこれで終わりとなりそうな予感。


 帰宅後、GW中にやってくるかもしれない孫娘に備えて、切らしているラズベリーアイスを作る。ラズベリーは昨年採った分を冷凍してある。
 しばらくぶりのため、レシピを確かめつつ作る。グラニュー糖がぎりぎりだったが、なんとか足りた。6つの紙コップに分割し、冷凍庫に収納。あとは連絡待ちである。

2025年4月27日日曜日

遅れてタイヤ交換

 金婚旅行やその後の連続弾き語りライブなどに忙殺され、夏タイヤへの交換が遅れに遅れた。街から雪はとうに消え、遠出の予定もない。早急に交換すべき時期で、ようやく重い腰を上げた。

 過去のブログ記事を参考に、いつもより早い昼食前から作業開始。強い痛みは消えたが、用心して腰コルセットを装着した。
 春はタイヤローテーションを実施することにしていて、タイヤ内部に記した番号から、マイナス1したタイヤを装着する。
 十字レンチやトルクレンチの作業にもすっかり慣れ、簡単に終るつもりでいたら、知らず知らず腰をかばっているせいか、なんと交換だけで1時間15分も経過。腰の負担も考慮し、いったん昼食休憩とした。


 午後から残りの作業を継続。スタッドレスの溝に詰まった小石を取り除いたのち、冬の間に汚れたタイヤをブラシで水洗い。乾燥させている間に、車に付属のコンプレッサで空気圧の調整をする。
 以前はこの作業を自転車用の空気入れと空気圧計でやっていたが、シガーソケット接続の電動コンプレッサに変わってから、ずいぶんと楽になった。

 最後に距離計のひとつをゼロリセットして終了。およそ100km走行を目安に、トルクレンチでホイールナットの増し締めを行う。
 あれこれやって、結局2時間ほどもかけてしまったが、今回も怪我なく自力でやれて満足。

2025年4月26日土曜日

レンギョウが満開

 2日前の20度を超す陽気に誘われ、レンギョウの花が一気に咲いた。 まずまず平年並みのペース。
 西と東の両側に植えてあるチューリップは、まだ固いツボミのまま。土手では水仙の黄色い花が続々と開花しているが、我が家の水仙は例年咲くのが遅く、こちらもツボミのままだ。


 昨年、ひこばえから復活させて5年ぶりに2房だけ咲いたライラック、鶏ふんの肥料が効いたか、かなりの数のツボミを確認した。今年は期待できそう。
 我が家には植えてないが、散歩道にあるサクラも少しずつ咲き始めた。百花繚乱の北国の春である。

2025年4月23日水曜日

ステルス値上げ

 朝食で毎日飲んでいるアセロラジュース、1L入り99円で値段の割にビタミンC含有量が多く、加齢に伴う老人シミには効いている気がした。
 ところが、この1年の物価高でジワジワ値上がりし、一気に149円まで急上昇。別のスーパーを探すと、以前は119円だったのが129円に上がっていたが、149円よりかなりマシ。
 さっそくこちらに切り替えると、そのうちパッケージデザインが変わった。よく調べると、1L→900mlに容量が減っているではないか。

 単純値上げとステルス値上げのWパンチ。定番の1Lパック容量まで変えてしまうことに驚く。ここまでやるか?
 無策な政治の貧困を痛感するが、ささやかな抵抗&防衛策として、一度に飲む量を10%減らすことにした。やるせないね。


 ユルユルと春がやってきて、散歩道沿いにある森の片隅に、エゾエンゴサクとカタクリの花がひっそりと可憐に咲いていた。絶滅もせず、今年も同じ場所で律儀に咲くことに心がなごむ。

 カタクリは田舎に住んでいたころ、アク抜きしてお浸しにして食べたもの。ホウレンソウに似た上品な味がして美味しい。
 いまのところ誰にも摘み取られておらず、このまま毎年咲き続けて欲しい。

2025年4月21日月曜日

ボランティア懇親会

 新年度2度目の地区センター図書館、本修繕ボランティアの活動日。
 新年度からのルール変更に伴い、最初に「前回作業を終えた本」の棚から、自分のタグがついた本を取り出して修理状態を自ら点検する。

 大きな問題はなかったが、対象4冊のうち、辞典の1冊に一部ボンド固定の甘い部分を見つけて再修復。軽微だったため2時間で乾き、その後「修理完了の本」の棚へと移動した。
 分厚い小説は前回修理した箇所は直っていたが、別ページのノド部分に新たな剥離を確認。単なる見落としか、作業中に無理が働いて剥離に至った可能性もある。再度の修復を施し、「今回作業を終えた本」の棚へ移動した。やはり検本作業は必要のようだ。


 12時まで作業し、再補修を含めて計5冊を処理。この日は12時から別室で懇親会の予定があり、継続メンバー5名と新メンバー2名の全員がそろった。
 2階の料理室に移動すると、別スタッフ4名による昼食の準備がすでに整っていた。メニューは焼きサンドイッチで、並んだ具材から各自が好きなものを選び、2種類の食パンにはさんで焼いて食べるという趣向。
 実は昨年6月にも同じ趣旨での「おにぎり慰労会」なるものが実施された。コメの急騰が世間を騒がせていて、価格が比較的安定している食パンを主とした食事会は、時期的にもタイムリーだった。


 参加者は昨年と同じく2つのボランティアメンバーが対象で、本修繕ボラから5名、読み聞かせボラから4名、両方をかねているボランティアが2名、スタッフ5名の計16名(女性14名、男性2名)である。
 私はウィンナー、ゆで卵、マッシュポテトを具に選択。サラダや珈琲もあって美味しく食べたが、今回は食事後の余興で私が歌うことになっていて、食べ過ぎは禁物だった。


 昨年の余興は読み聞かせボラによる紙芝居だったが、今年は予定がなく、私が「音楽ボランティア」として歌での協力を申し出た。
 メール連絡が不十分で正式依頼が届いたのは当日の朝。昨年の慰労会終了後に(依頼しようか迷った)と係員から聞かされており、演る前提で準備だけはしていたので、戸惑いはない。

 3日前に介護予防イベントで16曲歌ったばかりで、さすがに声に不安があった。翌日夕方まで喉を休め、試しに数曲歌ってみると声枯れはなく、演れそうだった。
 予め車に積んでおいた機材は、本修繕作業終了後に料理室へ搬入し、片隅にセット済み。全員が一通り食べ終えた頃合いを見計らって、12時55分から歌い始めた。


 負担を考慮し、最軽量の機材を準備。重いマイクスタンドは使わず、譜面台上部に自作の木製マイクブームと7インチタブレットの電子譜面ホルダを装着した。
 この簡易手法はチカチカパフォーマンスの最終年度で試していて、不安はない。

 PAはコンパクトで音はそれなりに響く「ヤマハMS101-2」を使用し、アルミ製三脚に止めた。8年前に予備として買い、メインPA修理中に本番でも何度か使った。出力10Wで、音は乾電池式のローランドモバイルキューブよりも安定していることを前日に確かめてある。
 マイクは正面の専用ジャックにつなぎ、エレアコのケーブルは背面のLINE入力に入れた。エフェクターは持参せず、リバーブなしの生音に近い感覚で歌うことに決める。


 発声練習は機材搬入時に車の中でバタバタと実施。15分4曲の予定が、2度のアンコールなどあって、25分ほどで6曲を歌う。

22才の別れ
 3日前の介護予防イベントのリクエストで3票を獲得していたが、同じかぐや姫の「なごり雪」が4票を得て、惜しくも歌えなかった曲。好きな曲で、路上ライブでもしばしば歌った。
 終了後に「あの曲、3日前に私がリクエストしました。聴けてよかったです」と、読み聞かせメンバーから喜ばれ、さらには本修繕メンバーの男性から、「あの曲と全く同じ実体験の思い出があって、泣けました」とも打ち明けられた。結果としてナイス選択だったらしい。

風がはこぶもの」(初披露)
 数ヶ月前に本修繕メンバーのKさんから、ぜひ聴きたいとのリクエストを貰ったが、あいにくレパートリーにはない。歌はともかく、ギター伴奏が苦手とするスリーフィンガー必須の曲で、ずっと避けていた。
 いい機会と考え、以降密かに練習を開始。Kさんも参加した介護予防イベントではリストになく、歌う機会がなかった。
 今回ようやく歌えて、3連符×4のスリーフィンガーもまずまずの出来。Kさんは大喜びで一緒に歌ってくれた。もしや深い思い出でも?と思いきや、単にハンマーダルシマーで練習を始めた曲だったのがその理由。いずれコラボ演奏?とのハナシもあり。

翼をください
 3曲目は昭和歌謡にするつもりで、介護予防イベントで2票を得た「恋のしずく」を当初予定していた。
 ところが開始前に係員のAさんから「リクエストは可能ですか?」との打診。別の場からのリクエストだけでなく、その場でもリクエストを募るべきか?と考え直して問いかけると、かのKさんからいきなり「翼をください」の要望。
 ジャンル的にはフォークだが他に声もなく、ジャンルを超えた楽曲ともいえるため、素直に応じる。新しい電子譜面ソフトの操作にも慣れ、この日はどの曲も短時間で譜面を探し当てた。

あの素晴しい愛をもう一度
 2年前に同じ地区センターでのロビーコンサートで、見届けてくれた本修繕メンバーのHさんから、終了後にリクエストを貰っていた。
 歌う前にMCでその経緯を告げると、本人はすっかり忘れていて、話すうちに思い出してくれた。求められない限り歌わない曲だが、シングアウトとしては向いている。
時代
 事前の申し合わせでは、4曲で終わりのはずだったが、終了の拍手がそのまま手拍子となって止まらない、という現象が発生。リードしているのが普段から共に作業をしている本修繕メンバーだったから、流れとしてはやむなし。
 すると、静かに聴くだけだったHさんから、突然「時代」のリクエストが出る。「演れますか?」と問われたが、過去に何度も歌っている得意曲。
 問題はラストとしては盛り上がりに欠ける、しんみりバラード系であること。しかしここでも素直に求めに応じた。

雨が空から降れば
 1曲追加で歌ったので、もうお役御免だろうと思いきや、場の雰囲気が微妙。(もっと聴きたい…)との気分に満ち満ちている。係員Aさんもそんな気分を察知していたが、場を取り仕切る責任もあって、板挟みになっている印象がした。
 そこで私から「責任者として、Aさんのリクエストはいかが?」と提案。するとAさんから「菊地さんが最も歌いたい曲を聴きたい」との要望が出る。具体的な曲名ではなく、判断を歌い手に委ねて、場の収束をうながす意図を感じた。

 何を歌うべきかしばし考えていると、「以前に六文銭の及川恒平さんの時計台コンサートを企画したと聞いてます。その時の曲はいかがですか?」とAさんから提案された。言われて気づいたが、人生の節目節目で歌っている名曲が確かにあった。
 この曲が自分でも過去に覚えがないほど出来がよく、場は静まり返った。「時代」から続く聴き手の琴線に深く訴える曲調の流れもあったかもしれない。
 歌い終わると、一瞬エアポケットに陥ったような、不思議な感覚が場に広がった。折しも外には細い雨が、まるでしつらえたように静かに降っている。熱くなった場を収めるには充分な演出で、居合わせた全員が得難い時間を共有していた。
 この日は4月4度目となる過酷スケジュールのラストにも関わらず調子がよく、歌もギターも大きなミスなく演れた。
 旅の疲れもようやく癒やされ、基本となる心身の状態がよかったせいもある。いろいろな条件が整っていた。

 リバーブなしのPAは本当に久しぶりだったが、機器に大きく依存しないことで、新しい自分を見つけた気がする。機材が軽くなって、フットワークも向上する。今後の手法として、見直すべきかもしれない。