今年度4回目の本修繕ボランティア活動の日。やや遅れて9時30分に図書室に着くと、「菊地さんは来ていませんか?」と中から声がする。メンバーのKさんが傘を抱え、受付で悪戦苦闘していた。
この日はあいにくの雨で、しかも風が強い。来る途中で傘が風にあおられ、骨が曲がって閉じられなくなったという。DIYが得意なことはこの2年余の活動でメンバーには知られていて、私なら何とかしてくれるかも?と考えたらしい。
実は傘の修理は過去に何度かやっていて、普通なら捨ててしまうような傘を自力で補修し、いまでも2本を使い続けている。
壊れた傘を見せてもらうと、骨と骨をつなぐバネを固定する金具の穴が一部欠損し、さらには金具自体が大きくねじれている。閉じられない理由はこれだった。
持参した本の修理道具から、マイナスドライバーとプライヤーを取り出して補修に取り掛かる。欠損した金具の穴をドライバーで強引に戻し、バネを復旧。ねじ曲がった金具はプライヤーで元の形状に戻した。
傘は閉じられるようになり、もちろん開くこともできる。ただ、もう一度風にあおられると、また壊れるのは必須。
欠損した金具部分を細い針金かテープで補強するのが安全だが、あいにく手持ちがない。ひとまず使えるようにはなったので、今日の補修はこれでよしとした。 本の修繕に来て、まさかいきなり傘の修理をするとは夢にも思わず、その後ようやく受付を済ませる。この日の参加者は6名で、参加率は向上した。まずは前回からの繰越しとなる絵本の補修を続ける。
本文が表紙からはがれていた絵本で、前回やった本文と表紙との接着は完全に乾いている。この日は見返し部分に透明テープを貼って補強して終了。
その後、ページのノド部分がはがれてしまった文庫本を中心に、計7冊の補修を手掛ける。このところ急増している補修で、前回からやっている竹ひごに接着剤をつけて筆代わりに使う手法が大活躍した。
今回は家にあった金属製の編み針も併用。筆やスクレイパーを使うよりも効率よくやれる。今後の作業の定番道具になりそう。
メンバーが多いせいもあり、補修作業に必要なクリップ類が底をついてしまった。補修対象の本はまだ10冊以上残っていたが、もはや継続は困難。11時半で全作業が終了となった。
次回は地区センター夏祭りで活動は休止。今月の作業はこの日だけで、次回の活動日は1ヶ月後になる。