自筆のカードのほか、母親のカードも添えられていて、2人で作ったという。デコレーションは孫娘が担当したようだ。
最初にバレンタインチョコなるものを貰ったのは、25歳のときに婚約中だったいまの妻から。山奥の現場事務所で汚水処理場の現場管理をやっていたころだった。
まだバレンタインデー自体がそれほどメジャーではなく、チョコレートは市販のものだったが、味気ない現場勤務のなかで、未来の妻の気遣いが嬉しかったのをよく覚えている。
板チョコを割るための小さなハンマーが同封されていて、チョコは食べてしまったが、ハンマーだけはいまも捨てずにとってある。
その後50年近くを経て、まさか孫娘から手作りのバレンタインチョコを貰うことになるとは、夢にも思わなかった。長生きはするものだ。
さっそく母親のアドレス経由で孫娘宛にお礼のメールを送った。先月の寒中見舞いは本物のハガキで返事を出し、今回は本物のメールでの返信。読みやすいようフォントを最大にし、平仮名とカタカナだけで記した。
じいじです。板チョコを割るための小さなハンマーが同封されていて、チョコは食べてしまったが、ハンマーだけはいまも捨てずにとってある。
その後50年近くを経て、まさか孫娘から手作りのバレンタインチョコを貰うことになるとは、夢にも思わなかった。長生きはするものだ。
さっそく母親のアドレス経由で孫娘宛にお礼のメールを送った。先月の寒中見舞いは本物のハガキで返事を出し、今回は本物のメールでの返信。読みやすいようフォントを最大にし、平仮名とカタカナだけで記した。
バレンタインチョコレート、
ぶじに とどきました。
どうもありがとう。
とってもよくできています。
ばあばとふたりで、
おいしくたべました。
はるがちかづいて、
コロナがすくなくなったら、
またみんなであそぼうね。
おそらく初めて自分宛に届いたメールに違いない。孫娘からも自分で打ったという短い返信メールがさっそく届いていた。
専用のタブレットは持っているので、そろそろメールアカウントを持つべき時期かもしれない。こうして少しずつ世の中を知り、オトナになってゆく。
専用のタブレットは持っているので、そろそろメールアカウントを持つべき時期かもしれない。こうして少しずつ世の中を知り、オトナになってゆく。