2022年2月16日水曜日

初めてのタイムマシン

 Macを使いはじめてから足掛け28年になるが、これまで画像やファイルのバックアップはフロッピーディスクやMO、外付けHDDなどで対応してきた。
 インターネットの普及発展に伴い、ネット上にデータを保存するクラウドサービスが主流となり、データを手元で保存する必要性はなくなりつつある。

 だが、万一PCがクラッシュするなどして操作不能に陥り、OSをクリーンインストールする事態になった場合、PCをそっくり元の状態に戻すのは容易ではない。
 過去に何度かそうした状況に追い込まれたが、いったんPCを完全消去し、移行アシスタントを使って別のPCからそっくり内容を移し替えることで乗り切ってきた。そのためにOSのグレードが同じ複数のMacを予備として常に所有している。

カテゴリ6のLANケーブルを使用

 ところが最近購入したMacBook Proは最新ひとつ前のOS11.6。他の3台ある古いMacとOSの互換性がない。古いMacにはOS10.13以上をインストールできないのだ。
 万一クラッシュした場合のOSインストールUSBは持っているが、他のMacから設定やアプリをそのまま移す必殺技が使えず、復帰にはかなりの手間が予想された。
 そこでMacの内容を設定やアプリ、データも含めて丸ごと保存し、必要になったときは短時間で読み込んで復活させる「Time Machine〜タイムマシン」というバックアップ機能を使ってみることにした。

「Time Machine」は2007年の0S10.5から標準搭載されていて、使うのは今回が初めて。保存先には外付けHDDかSSDを使うのが一般的だが、新たな投資はせず、3台ある古いMacを使えないか画策した。
 情報が極端に少なく、アップルサポートサイトでようやく詳しい手法を得る。一部重複するが、およそ以下の手順でやり終えた。バックアップ元はMacBook Proでバックアップ先はMac miniである。

1)バックアップ元のMacBook Pro「システム環境設定」から「Time Machine」を起動。右下の「オプション」からバックアップ対象除外項目を選ぶ。この画面から同時に、「バックアップ完了後の予想サイズ」(今回は145G)の情報を得る。

2)バックアップ先に使うMacを吟味。iMacの空き容量が370Gで最大だったが、妻が常用するので回避。最近ほとんど使ってないMac miniの不要ファイルを整理し、229Gの空き容量を確保した。

3)前述のアップルサポート情報に従い、Mac miniの適当な場所にバックアップ用のフォルダを作成。「Time Machine Backup」と名付けた。


4)Mac miniの「システム環境設定」「共有」からファイル共有を有効にし、共有フォルダに3)で作ったフォルダを追加。手順に従ってこのフォルダをTime Machineバックアップ先共有フォルダとして指定する。同時にユーザ全員の読み書きを有効にする。

5)MacBook ProとMac miniをLANケーブルで接続。移行アシスタント使用時と同じカテゴリ6ケーブルを今回も使った。2台ともスリープは解除し、Wi-Fi接続もオフにした。


6)MacBook Proのシステム環境設定からTime Machineを起動。「ディスクを選択」から一覧画面に切り替わり、必要に応じて左下にある「バックアップを暗号化」をチェック。指定したバックアップフォルダを選択して「ディスクを使用」を選ぶと前画面に戻り、「バックアップを自動作成」をチェックすると作業が始まる。

7)作業工程は逐一画面表示され、結果的にバックアップ容量は129.31G、作業時間は2時間ちょうどだった。最初の移行時に同じ条件下で96Gのファイルを1時間25分で移し終えたから、妥当な数字だ。

 完了後のMac mini容量にはまだ100Gの余裕があり、今後何度かバックアップを重ねてもしばらくは使えそう。
 3D-CG系の仕事が今後復活する可能性は低く、もはやMacのヘビーユーザーとは言い難い。毎日のようにバックアップをとる必要性はなく、せいぜい年に数回も作業すれば、クラッシュに対する備えとしては充分と思われる。(その後4ヶ月毎の作業をスケジュール指定)