2025年2月27日木曜日

忘れた頃にギター

 4月から小3になる孫娘が、いきなりギターを弾きたいと言い始めた。事の起こりは先日やったバレンタイン家族会でのこと。待ち合わせの量販店に行くと、孫娘がギターケースを背負って待っている。自宅に着くなり、オヤツもそっちのけでギターを引っ張り出し、弾き方を教えてくれと言う。
 そもそも4年前にギターをプレゼントしたのは、他ならぬ私。当時はまだ4歳で、遊びにくると私のギターを弾きたがるので、(いずれ大きくなったら弾くようになるかも…)と期待し、大人用やオモチャではなく、本格的なヤマハのミニギターを買ってあげた。


 いつでも弾けるよう簡単なコードの押さえ方と譜面も準備し、ラミネート印刷してギターケースのポケットに入れた。
 その後、本人が望めばオンラインでの指導もするつもりでいたが、年齢的に少し早すぎたか、大きな動きがないままに時が経過。そのまま壁の飾りと化す気配もあり、それはそれでよいと思っていたが、最近になって急に自分から弾く気になったという。

 きっかけは最近になって孫娘が推している「すとぷり」という音楽グループ。ネットを中心に活動する6人組で、顔出しは一切せずにメンバーの顔はイラスト表示。人気はかなりのもので、2023年の紅白にも出ている。
 全く知識がなかったが、いかにもいまふうな音楽グループのようだ。ファン層は10代女性ということで、ギターを弾けるメンバーがいるらしく、孫娘が真似たいと思い始めた経緯もわからなくはない。
 私が20歳でギター弾き語りをやりたいと思い立った経緯が似たようなもので、岡林信康の歌にショックを受け、学寮の部屋にあったギターを握ったのが発端だった。誰かにあこがれて楽器を始めるのは、動機づけとしては確かでモノになりやすい。


 ケースから取り出したギターはほとんど弾いていないせいか、真新しい。まずはチューニングからで、ケースのポケットに入れておいたチューナーで調整。およそのやり方は教えた。
 続いてギターを弾く姿勢を教える。本人は座って弾きたがったが、経験的には立って弾くほうが声は出るし、姿勢も作りやすい。そのために赤い専用ストラップも買ってあった。座って弾くのはあとからでも簡単にやれる。
 長さを調整し、私が見本になって背負ってみせると、まずまずいい形になっている。

 いよいよ弾き方の指導だ。最初はストローク奏法が入りやすく、指よりはフラットピックを使うのが正解だった。
 まずはダウンストロークからで、お手本を見せて弾かせてみると、音は悪くない。ただちに簡易型のCとG7のコードを教える。5〜6弦を弾かずに残り4弦だけを弾く手抜き奏法だが、この2つを会得するだけで、簡単な曲が弾ける。
 最初にしては急ぎすぎるかもしれないが、どんな形でもまずは曲として弾き語りができるようになることが大事で、その満足感が次なるステップへのバネとなるのだ。
 4年前に作っておいた譜面のうち「カエルの合唱」をいきなりやらせた。左手の押さえ方が不完全で、音が重なってきれいに出ない。指先を立てて指紋の部分で弦を押さえるよう、徹底指導。何度も繰り返すうち、じょじょに音がクリアになってきた。
 歌いながらリズムに合わせて弾かせると、最後まで歌いきった。「クワクワ」という鳴き声の部分は手のひらで音を止めて弾く「ミュート奏法」を教えたが、こちらも簡単に会得。開始1時間ほどで、早くも1曲完成である。
 ギターを弾く姿勢とリズム感はなかなかのもので、そばで見ていた両親も急速な上達ぶりに驚いていた。

 その後、「ドレミの歌」を途中まで何度も練習し、「上手だね!」と褒めると、すっかりその気。
 目標は先にふれたすとぷりの「Strawberry Kiss」。コードを調べたら、そう難しくない。あくまで本人の努力と好奇心次第だが、資質は悪くなさそうなので、案外早くモノになるかもしれない。