前回活動から2週間後のせいか、修理対象棚の本は少なめ。ページ破れのタグがついた棚から適当に1冊取り出し、ページの一部が切れている単行本をボンドで補修した。
透明ブックカバーを細く切って、破れた部分を貼り合わせるのが作業としては簡単だが、透明ブックカバーを安易に使わないという方針がある。破れた切り口に専用ボンドを薄くのせ、素早く突き合わせてあて紙をしつつ固まるのを待つ、というのが基本方針だ。
技術的には難しいが、仕上がりとしてはこちらが勝る。ボンドを水で薄めずに作業すれば、ボンドの乾く時間が早まって、成功率は高まる。
続けて本文に5〜6ヶ所の大きな破れがあり、セロテープで応急処置を施してある絵本の修理をする。
図書室で修理をする場合、経年劣化ではがれやすく、変色しがちなセロテープ補修は禁じられている。おそらくは絵本の借り主が破ってしまい、自主的に補修をしたものと思われるが、変色と劣化が進んで状態は悪い。
「セロテープをはがして再補修」との付箋もついていて、難易度の高い作業だった。
まず背からはがれかけた本文の一部をボンド固定したのち、セロテープ補修部分を専用ラベルはがし液とスクレイパーで慎重にはがしてゆく。本文に残ったテープ粘着部も同時に除去。
破れて完全に脱落したページもあり、無理をすると印刷部分も一緒にはがれてしまう。過去にも似た補修はやったが、これほど破損が多いのは記憶にない。根気のいる作業が延々続いた。
応急処置のセロテープをはがす |
1時間以上もかけて、ようやくすべてはがし終える。続けて切り口に専用ボンドを塗り、破れ部分を順にくっつける。ボンドのはみ出しは濡らしたタオルで拭き取り、ボンドが乾くまで次のページには移れない。
2時間かけてひとまず修理は終えた。係員のチェックを受け、場合によっては透明ブックカバーでさらなる補修を施すことになっていたが、状態は悪くないという判断。このまま様子をみることに決まる。
スタートが遅れたこともあって、この日の作業は事実上この1冊のみ。ページ全体のとじ直しとは性質が異なるが、Aクラスの難しさだったことは間違いない。