およそ1年前に買った電子ピアノの収納ケースが使用不能になった。壊れたのはピアノを出し入れするファスナー部分で、スライダー(開閉部)の引手が完全に脱落。残った金属部をつまんでやれば動くには動くが、実用には程遠い。
最初はスライダーが2つあり、両側から自在に開け締めができた。半年ほどで片側のスライダーが脱落し、やがて両方がダメになった。
ピアノを持ち運ぶ機会はまだないが、使わないときには二つ折りにしてケースに入れておきたい。例によって自力での修復を試みた。
破断したスライダー部分 |
現状のファスナーを取り外して全面交換する手段がある。しかし、交換の手間が馬鹿にならず、新しいファスナーも調達しなくてはならない。簡単なのはスライダー部だけを交換して、ファスナー機能を復活させることだった。
最初に鋼板でスライダー部分を包むカバーを作り、引手を取り付けようとしたが、加工中にスライダー自体が割れてしまい、この案は失敗。
再利用ストック品の箱を探すと、仕様が似ているファスナーが見つかった。長さは足りないが、スライダーは使えそうな感じがした。
ファスナーを分解し、スライダーと引手だけを取り出す。収納ケースのファスナー端部を固定してある糸をほぐし、エレメント(歯)の片側に取り出したスライダーをセット。
続けてもう片方のエレメントをセットし、両側をニッパーで固定しながら慎重にスライダーを動かすと、両側のエレメントが噛み合ってファスナー機能が戻った。
その状態でストッパーをかませ、ニッパーで締めてスライダーが外れないようにする。ほぐした糸も縫い直し、ファスナーは完全復活した。
買った電子ピアノは中国製。ピアノ本体に問題はないが、安価のせいか収納ケースのファスナーは脆弱である。交換したファスナーは再利用品だが、信頼性の高い日本のY社製。長持ちすることを期待しよう。
過去にも同じような交換をしたが、DIY難度は高い。壊れたものと似た仕様のファスナーのストックがあることが前提である。