2024年9月19日木曜日

6年ぶり15度目のライブ

 2014年に最初のライブ依頼があり、以降年に数回ペースで計14度の依頼が続いていたデイサービスから、6年ぶりに招かれた。最後の依頼は2018年で、2年後に始まったコロナ禍で縁が途切れたと思っていた。
 記憶があやふやだが、昨年の地区センターイベントで手伝いをやっていた際、同じ施設の職員さんから声をかけてもらったはず。思いがけない復活は、そのことがきっかけだったのかもしれない。

 今年に入って介護施設系ライブは先週の近隣デイサービスに続き、2度目。久しぶりの責任ある場と加齢に起因する体調不良などあって、前回は苦戦を強いられた。その反省をふまえ、入念に調整を重ねた。
 喉の対策として黒豆茶を飲み、季節の変わり目で風邪の前兆があって早めに板藍根(漢方薬)を飲んだ。筋肉痛&関節痛はストレッチやサポーターで軽減に努めた。

 開始は14時で、20分前に到着。先週の施設よりはやや遠いが、車だと10分で移動に関わるストレスはない。
 6年ぶりに施設の門をくぐると、施設長を含めた職員さんは大幅に入れ替わっていた。ライブ開始直後に進行の方が確かめると、私を知る利用者は皆無。施設そのものは変わってないが、全くゼロの状態から始める気構えが必要だった。

 開演前にマスク装着の有無を確認したが、施設側の方針がはっきりしない。「他のボランティアの方は?」と尋ねると、「実は今回がコロナ禍以降、初めてのボランティア受入れなのです」と意外な答え。
「先週歌った施設では、歌う直前までマスクを装着し、ライブ中は外して終了後に装着という流れでした」と伝えると、では同じようにお願いします、と最終決着。どの施設もコロナ後のボランティア対応には腐心しているようだ。
 施設側の敬老イベントがやや長引き、10分遅れの14時10分ころから開始。アンコールを含め、45分で以下の14曲を歌った。

「高原列車は行く」「おかあさん」「お富さん」「瀬戸の花嫁」「三百六十五歩のマーチ」「高校三年生」「荒城の月」「君恋し」「矢切の渡し」「夜霧よ今夜も有難う」「涙そうそう」「月がとっても青いから」「青い山脈」「また逢う日まで(アンコール)」


 気力体力の問題もあり、セットリストは先週別の施設で歌ったものと大差ない。いわば「秋の定番ソング」である。
 進行の職員さんが1曲目から手拍子で盛り上げてくれ、歌い手としてはやりやすい。利用者は30名ほどで、一緒に歌ったり、「いい声だ!」と掛け声をかけてくれる方が複数いて、調子よく進んだ。

 前回ギター演奏に問題のあったアルペジオ系の曲「瀬戸の花嫁」「荒城の月」「夜霧よ今夜も有難う」は、事前の調整がうまく運んで問題なく弾けた。
 以前は傾聴型のおとなしい場だったが、賑やか手拍子系の場にガラリ変貌していて驚いた。ライブ中に確かめたら、週に3回はみんなで歌うイベントを開いているという。そのせいか、ノリのいい曲への反応が熱かった。
 喉の調子はまずまずで、出だしは高音部がやや不安定に感じたが、進行と共に解消。低音部の音程とロングトーンは終始安定していた。
 半分を過ぎた「君恋し」から数曲は、場の反応がやや弱くなった。ラスト3曲で盛り返したが、おそらくは施設側のイベントから休憩なしで私のライブへと突入し、聴き手に疲れが及んだものと思われる。
 スケジュール的に厳しかったとライブ後に職員さんから聞いたが、自主判断で1曲減らす選択もあったと反省。

 ともあれ、6年のブランクを一気に埋めることはできたと思う。先週より10分長く、2曲多く歌ったが、不思議に前回ほどの疲労感はなかった。やはり「ライブ」という修羅場に対する慣れは必要のようだ。
「近々またお願いしますね」と帰り際に声をかけられたが、準備さえ怠らなければ、体力的にも精神的にも、もう少しやれそうな気がしてきた。