今年度8回目の本修繕ボランティアの日。休日が入って、1ヶ月以上も間隔が空いた。前回からの持ち越し作業があり、早めの9時20分に図書室に到着。メンバーは4人と少ない。
作業前に係員のAさんから「残念なお知らせ」がある。年度初めに7人いたメンバーのうち、今月から3人が抜けるという。それぞれ仕事や家庭の事情があるらしいが、結果として残るメンバーは4人。年度途中ということで、来期まで新規募集はしないという。
活動が3年目に入り、当初は10人いたメンバーもじょじょに減り始めた。ボランティアという性質上、活動を続けるか否かは、あくまで個人の意思である。活動そのものが曲がり角にきているのかもしれない。
気を取り直し、前回手掛けた作業を継続する。ページがバラバラに外れた昆虫図鑑を分解して整え、背の部分にノコで切れ目を入れてボンドとタコ糸で補強してあった。
ボンドは完全に乾いていて、大型木製クリップを外して厚みを計測する。前回同じ補修をやった際には大型木製クリップがなく、Cクランプを使ったことで背が膨らんでしまったが、今回は作業前の厚み28ミリにピタリ収まっていた。
次なる手順として、補強に使ったタコ糸を端から10ミリ長で切り、端部を千枚通しの先を使って丁寧にほぐす。
続けて寒冷紗を背の長さ分だけ幅50で切り、本体の幅をマーキングしたのち、背にボンドを塗って接着。本体から両側11ミリずつはみ出た部分に、端部処理したタコ糸をスクレイパーで放射状に広げながらボンドで接着した。
本文の処理はこれで終わり、ボンドの乾燥を待つ時間を利用し、他の本を2冊修復する。いずれもページのノド部分の剥がれで、作業としては難しくない。
この日は10時から養護学校生徒の教育実習が入ることになっていた。作業の合間に自己紹介や挨拶を交わす。
16歳の男性で車椅子使用だが、工業系のコースを選択しているとかで、本修繕作業は係員の指導で手際よくこなしていた。
1時間で昆虫図鑑のボンドがほぼ乾き、最終工程となる表紙の接着へと進む。
本文の背と表紙側の両方にボンドを塗り、センターと天地がずれないよう慎重にセット。左右にはみ出した寒冷紗は表紙と見返しの両方にボンドを塗って差し込んだ。
本文の小口に多少の不揃いがあり、紙ヤスリで調整。表紙にも微妙なズレが発生したが、ボンドが硬化する前に引っ張って修正。ただちに大型木製クリップで固く止めた。
次回活動日に状態をみて微調整するかもしれないが、ひとまず表紙づけまで一気に終わらせた。
教育実習生の活動が12時までのため、その後もつきあって2冊の本を修復する。
メンバーが減って修理対象の本は棚に山積み状態。しばらくは現メンバーの負担が増えそうだ。