2007年5月23日水曜日

マグロの一本釣り

 遅まきながら、家庭菜園に野菜の苗を5株植えた。縄文の暮しに関しては、日々ノートに要点を記しているが、記録を調べてみると、菜園を始めて8年目にして最も遅い。
 理由は連休明けに急な仕事がバタバタとまとめて入ったせいである。およそ1ケ月分の仕事を、この1週間でこなした。
 仕事が忙しいと家計は潤うが、縄文の暮しからは遠ざかる。引いては、エコロジーからも遠ざかる。私の場合、仕事が忙しいということは、すべての面で地球に優しくないことにつながる。

 ともあれ、必死の思いで今年も苗を植えた。連休中に下準備だけはしてあったので、苗を植えて周囲に竹の支柱を立て、そこに風と寒さ対策のビニールカバーをかぶせる。
 このビニールカバーもちゃんと店で売っているが、いつも買物袋で間に合わせる。破れて使えなくなったら、洗ってリサイクルゴミとして出す。
 嵐のような1週間が過ぎ去り、仕事の山も一気に片づいた。気持ちのハリが切れたせいか、昨夜から体調が悪い。バブル景気の頃は、こんな時期がしばしば1ケ月も続いた。家族をも巻込んだ修羅場が延々と続き、多忙が家庭内不和の遠因ともなった。
 最近はそれほどの忙しさからは遠ざかったが、忙し過ぎることが心身の健康面でよろしくないことは、昔もいまも変わらない。

 私の場合、体調の悪化は、いつも決まったシグナルで現れる。「不整脈」「空腹時の胃痛」「肩凝り」「胸の痛み」「腰痛」等々である。これらの症状は多忙時ばかりではなく、極端に仕事がない時にも稀に現れる実にやっかいな代物である。上手につき合うしかない。
 多忙であれば家計は潤おうので、その面では安心できる。妻によく指摘されるが、私の仕事はマグロの一本釣りのようなものであるらしい。小型の船にたった一人で乗り込み、ひたすら獲物をねらう。釣れないときはまるで釣れないが、間違って大物を一匹釣り上げると、およそ数カ月は食うに困らない。そんなところが似ているというのだ。

 マグロ一匹に匹敵するほどの大きな仕事は最近の私にはないが、まとめてバタバタ入ってくると、それなりの金額にはなる。「釣れないときはまるでダメ」「しょせんは相手次第」という部分でも、確かに似た要素はある。
 一番似ているのは、このようなバクチ的事業形態を自ら好んで選択していることか。どうやら一生抜けだせそうにないが。