「すこやか倶楽部」という札幌市の介護予防事業イベントで歌った。
事の始まりは10年ほど前の地区センターイベントで歌ったときのこと。場に居合わせた見知らぬ方から「ぜひ介護予防事業イベントでも歌って欲しい」と声をかけられた。名刺を交換したが、その後具体的な話はなく、時が流れた。
昨年6月に地区センターでトーンチャイムを使った介護予防イベントがあり、参加した折に過去の経緯を新担当者に説明し、改めて経歴書を渡した。
今年1月に連絡があり、新年度最初のイベントで歌って欲しいとの出演依頼。推測だが、年度中のおよその予定は決まっていて、途中でのイベント割り込みは難しかったと思われる。
演奏時間は1時間で、前半を私が選曲し、後半はその場でリクエストを募るという、過去に何度もやっている手慣れたパターンだった。
会場は近隣地区会館と地区センターの2ヶ所。介護予防が目的の概ね65歳以上の元気な人が対象で、気軽に足を運べるよう、対象地域は比較的狭い。
1月下旬に担当者と面談し、詳細を詰めた。長く使っている327曲のリクエスト一覧を渡し、前半の大まかな選曲も伝えた。
年度が変わって、駅向こうの地区会館で第1弾が実施となる。過去に同じ会場で歌ったことがあり、場の様子は把握している。
問題は時間で、苦手の午前中ライブ。開始の10時にあわせ、7時少し前に起きた。世間では普通の時間帯だが、宵っ張りの私には早い。しかし、起床後3時間を経ないと満足に声は出ない。 9時半に会場入りし、ただちに設営。高さ50センチほどのステージがあり、相談の結果、ステージの上で歌うことに決まる。
会場の広さはそれなりで、セット終了後、係員に最後尾で音の大きさをチェックしてもらった。以前にこれを怠り、後方の席が聞こえにくい、というトラブルをおこしたことがある。
そうするうちに続々と人が集まってきて、多すぎると思っていた席は、開演前までに埋まる。数えてみると40名を超す盛況である。
時間ちょうどの10時に開演。冒頭で係員の短い挨拶があり、盛況に感謝しつつも、「他の介護予防イベントにもぜひ足をお運びください」と、言い添えていた。
10時5分からライブ開始。休憩なしの1時間で15曲を歌う。
《セレクトタイム》
「天使のウィンク」「さくら(直太朗)」「空港」「サン・トワ・マミー」「糸(二択)」「こんにちは赤ちゃん」「宗右衛門町ブルース」
《リクエストタイム》(数字はリクエスト票数)
「ラブ・イズ・オーヴァー4」「月の沙漠3」「五番街のマリーへ2」「川の流れのように3」「ブルーライト・ヨコハマ2」「蘇州夜曲2」「上を向いて歩こう2」〜「また逢う日まで(アンコール)」
先週のグループホームライブでは旅疲れによる喉の不調を感じたが、その後黒豆茶や漢方薬等による懸命の調整が効いて、出だしから声はまずまず出た。
会場に男性は3人で、圧倒的に女性が多い。介護施設のように同じ組織に所属しているわけでなく、そのせいか場は終始静ひつ。手探りの進行となったが、曲ごとの拍手は熱く、手応えは悪くない。アップテンポの曲よりも、バラード系の穏やかな曲に強い反応があった。
場を和らげる工夫として、5曲目に二択リクエストを仕掛ける。フォーク2曲の選択で、拍手の多さで曲を決める趣向だったが、僅差で「糸」が「なごり雪」をおさえた。
7曲歌って後半のリクエストタイムに突入。開演前に会場3ヶ所に拡大掲示されたリクエスト用紙には、すでに多数のマルがついていて、係員が曲別に集計し、ステージに届けられていた。
リクエストが予想を超える多さで、急きょ休憩なしで進めることになる。2曲以上のリクエストがあった曲はペンで囲ってあり、その数だけでも15曲。全てに応えることはとても無理だった。
3票以上のリクエストを中心に、ジャンルのバランスも考慮しつつ、その場の判断で歌う曲を決める。電子譜面ソフトを更新したせいで、検索に手間取る場面もあったりし、ぎりぎりの進行になってしまった。
気持ち面での余裕のなさと、休憩なしの進行による体力面からか、「川の流れのように」でピッキング(アルペジオ)が怪しくなり、ついにはCmのコードを一瞬押さえ間違えた。
長く歌っていない曲という裏事情もあったが、ピッキングの怪しさは先週のグループホームでも自覚した。今後にむけて、課題になりそうな気配濃厚。
それでも場の反応は悪くなく、ラストの「上を向いて歩こう」では手拍子が自然発生し、共に歌う声も多く耳に届いた。
時間ぴったりに場を収めると、最後尾にいた係員2名から、打合せなしのアンコールが飛び出す。いちおう準備だけはしてあり、定番の「また逢う日まで」をありがたく歌わせていただく。 終了後、何人かの参加者から、ねぎらいの声をかけられた。ミスはあったが、声に関しては絶不調を脱したので、出来としてはまずまずだったと自己評価したい。
帰宅後、集計されたリクエスト曲を詳細に検討してみたが、「ポップス系昭和歌謡26曲」「演歌系昭和歌謡26曲」「J-POP1曲」「フォーク4曲」「唱歌5曲」「洋楽10曲」〜合計72曲という内訳だった。
昭和歌謡が70%以上と他を圧倒し、洋楽と唱歌が健闘。フォークやJ-POPが苦戦という意外な内容で、これが介護予防参加者の最新傾向なのか、9日後の別会場の動向も含めて、よく検討してみたい。
(2度目の介護予防イベントはこちら)