最初にやったのは去年の11月で、今年の4月に2度目をやった。多い時は参加者が20名近くにもなり、なかなか好評だった。いわば歌を介した「オトナの遊び場」のようなものである。
場所はいずれも自宅2階で、仕事部屋から予備室につながる14畳大の大空間を利用し、一角にステージを作った。椅子もライトも自作で、ほとんどお金はかけていない。(上の写真)
この空間の一部はかっては息子たちの学習部屋だった。柱はあるが、壁はない。だから通常の上下の吹抜けではなく、二つの空間を水平にまたいだ「横の吹抜け」ともいえるスペースだ。
この空間を時に応じ、仕事部屋や応接に使ったり、来客用寝室、はたまた趣味の集まりに使ったりする。
今年の秋にも新しい展開でのコンサートを準備していたが、家族の諸事情で、ごく内輪の発表会となった。今回のステージは場所を移して1階居間の一角に設定。台所との境目には暖簾を一時的に吊るして空間を仕切った。(下の写真)
設計時点であまりにもこまごまと空間を仕切り、部屋の役割分担を固定してしまうと、生活の変化に対する自由度がなくなり、暮しの変化に柔軟に対応出来なくなる。
尊敬する建築家の清家清先生について、かってこのブログでもふれたが、先生も「広く住まい、時に応じてしつらえる」と常々提案されていた。
人間は月日の流れと共に年老い、それに従って暮しも徐々に変化してゆくものだ。家作りのあらゆる面で、自由度をなるべく大きくした配慮が必要なのである。